スペイン料理といえば、やっぱり「パエリア」。色とりどりの具材に、魚介の旨味をたっぷり吸ったお米。見た目も華やかで、特別な日やおもてなしにもぴったりな一品ですよね。
そんなパエリア、作ってみようとレシピを見ていると「お米は洗わないでください」と書かれていることが多いんです。日本では「お米は洗って炊く」が当たり前なので、「えっ、洗わないの!?」と驚く方も多いはず。
今回は、なぜパエリアではお米を洗わないのか?その理由をやさしく解説していきます。あわせて、パエリアの基本やレシピ、選ぶべきお米の種類についても紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
パエリアとは?
パエリアの基本
パエリアとは、スペインのバレンシア地方発祥の炊き込みご飯のような料理です。大きな平たい鍋で、魚介や鶏肉、野菜などの具材と一緒に米を炊き上げて作ります。
本場のパエリアでは、米を炒めてからスープで炊くのが基本。蓋をせずに蒸発させながら火を通すため、仕上がりはべたつかず、ひと粒ひと粒が立ったような食感になります。
パエリアの歴史
もともとはバレンシア地方の農民が畑で作っていた家庭料理。畑で採れた野菜や、近くで捕れるカタツムリ、ウサギ肉などを使って作られていたと言われています。
やがて海沿いの地域でも魚介を使ったバリエーションが登場し、今では「魚介のパエリア」が世界中で親しまれるようになりました。
日本におけるパエリアの人気
日本でもパエリアは、おしゃれなレストランのメニューや、ホームパーティーの定番として人気です。最近ではスーパーに「パエリアの素」や専用のスープも売っていて、気軽に家庭で楽しめるようになっています。
なぜパエリアのお米は洗わないのか?
洗わない理由とは?
パエリアでお米を洗わない最大の理由は、「でんぷん」が大切だからです。
日本のお米は炊く前に洗ってぬめりを取り除きますが、パエリアではそのぬめり=でんぷんがスープを程よく吸い込み、全体にうまく味をからませてくれるのです。
また、でんぷんによって、パエリアならではの「パリッとしたおこげ(ソカラ)」ができやすくなり、香ばしい風味が引き立ちます。
米の汚れを気にする必要
「でも、洗わないと汚れが気になる…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
でもご安心ください。パエリアで使うお米は、すでに精米された清潔な状態のものを使用しますし、加熱調理されるため衛生面でも特に問題はありません。
また、最近では「無洗米」もあるので、どうしても気になる方は無洗米を使うのも一つの手ですよ。
水分が重要な理由
パエリアでは、加える水分(スープ)の量と、お米が吸収する水分量のバランスがとても重要です。お米を洗ってしまうと、表面のでんぷんが落ちるだけでなく、余計な水分も吸ってしまいます。
その結果、スープの量や加熱時間にズレが生じて、パエリアらしい食感が損なわれてしまうんです。ですから、最初からお米を乾いたままで使うのがパエリアの鉄則なのです。
お米の種類と精米の違い
パエリア米とは?
本場スペインでよく使われるのは「ボンバ米」という短粒米。水分をよく吸収しても形が崩れにくく、アルデンテのようなしっかりした食感に仕上がります。
ただし、日本ではなかなか手に入りづらいので、代わりに日本のお米でもパエリアは十分美味しく作れます。
無洗米のメリット
どうしても「洗わないのに抵抗がある…」という方には無洗米がおすすめ。無洗米はすでにぬかや汚れが取り除かれているので、洗わずに使えるうえ、パエリアのような料理にもぴったりです。
無洗米は炊き込みご飯やリゾットなど、味のしみ込みが重要な料理に向いているんですよ。
おすすめの米の品種
パエリアにおすすめなのは、粘りが少なく、粒がしっかりした品種です。
例えば
• ササニシキ:粘りが少なく、あっさりした味わい
• あきたこまち:ほどよい硬さと粒感
• 無洗米のコシヒカリ:味がよく、調理が手軽
逆に、モチモチ感の強いお米は、パエリアにはあまり向きません。
パエリアの作り方:基本レシピ
炒める手順
まずはオリーブオイルでニンニクを香り立たせ、具材(鶏肉・エビ・アサリなど)を炒めます。次にお米を加え、しっかり炒めて表面をコーティングすることで、仕上がりがベチャっとならず、食感が良くなります。
スープの作り方
魚介やチキンのスープ、トマトペースト、サフラン(またはターメリック)でスープを作ります。ここで味をしっかり決めることが大切!
お米を炒めたら、スープを加えて煮込んでいきましょう。
超簡単パエリアレシピ
【材料(2~3人分)】
• 米(無洗米でもOK)…1合
• 鶏もも肉…150g
• エビ…4尾
• アサリ…100g
• 玉ねぎ・ピーマン…各1/2個
• トマト缶…大さじ2
• サフラン or ターメリック…少々
• 水 or コンソメスープ…250ml
• オリーブオイル・塩・こしょう…適量
フライパンで炒めて煮込むだけ!炊飯器ではなく、フライパンを使うことで、香ばしいおこげも楽しめますよ。
パエリアの素を使ったレシピ
市販の「パエリアの素」や冷凍シーフードミックスを使えば、さらに手軽に作れます。初心者でも失敗しにくく、見た目も本格的に仕上がるのでおすすめです!
パエリアを美味しくするためのポイント
魚介との相性
魚介のうまみを引き出すためには、エビやアサリから出る出汁が重要。スープに旨味が溶け込むことで、お米にも味がしっかり染みわたります。
食感を良くするコツ
お米を洗わないだけでなく、しっかり炒める・水加減を守る・蓋をしないなど、基本をおさえるだけで格段に美味しくなります。火加減はやや強めで、焦げ目がつくくらいがベスト!
フライパンの選び方
専用のパエリアパンがなくてもOK。家庭では底が平らで浅めのフライパンがあれば十分です。直火にかけられるフライパンなら、おこげもカリッと作れます。
パエリアに関するQ&A
お米を洗ったらどうなる?
お米を洗ってしまうと、水分を余計に吸ってしまい、べたついた仕上がりになります。また、でんぷんが落ちることで、スープの味の絡みも弱くなってしまうので注意です。
料理初心者のためのパエリア
初心者さんには、「パエリアの素」や「炊飯器で作るレシピ」もおすすめ。最初から完璧を目指さなくても、美味しく作ることはできますよ♪
パエリアにまつわる素朴な疑問
Q:米を炒めすぎたらどうなる?
A:固くなりすぎることがありますが、スープで調整すればOK。
Q:野菜をたくさん入れてもいい?
A:もちろんOK!彩りもよく、栄養もアップします。
まとめ
パエリアを楽しむためのヒント
パエリアは、お米を洗わずに使うことで本場の味に近づけることができます。ちょっとしたポイントを押さえるだけで、家庭でも本格的な味わいを楽しめるんです。
美味しいパエリアのために
お米は「洗わない」、具材は「しっかり炒める」、水加減は「レシピ通り」に。この3つを意識するだけで、パエリア作りはグッと楽しくなりますよ。
ぜひ、あなたも週末の食卓に、スペインの風を感じるパエリアを取り入れてみませんか?